日清食品グループの概要
日本の食品メーカー「日清食品グループ」は、日本を代表する総合食品グループです。同社の目的は、高品質の食品を提供すること。現在は、日清食品ホールディングス株式会社の子会社という立ち位置にいます。カップラーメン(カップヌードル)を発明した企業としても知られているので、この会社を知らない人はほとんどいないでしょう。
カップラーメンのほかにも、袋麺、冷凍食品、スナック菓子などなど、加工食品といえるものには全て手を出しているのではないかと思うほど多様な挑戦をしています。
日清食品グループのビジネスモデル
日清食品グループは開発にも力を入れていて、新しい味や製品を定期的に発表しています。
同社が追求しているのは、「持続可能」なビジネスモデル。環境に負荷をかけない取り組みはももちろん行っていますし、社会的責任を果たすための社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。しかし、「持続可能」というのはそういう面だけではなくて、同社のビジネスを持続的に成長させるという意味も含んでいるように思われます。
みなさんもよくご存知のように、日清食品の主力商品はあの「カップヌードル」です。2019年度の売上高は約2,000億円、そのうち即席めん事業の売上高が約20%を占めていると報告されているほどの超主力商品です。
私たちからすれば、あんなに人気のカップヌードルがあればもう何をしても安定するのではないか、なんてだらけた考え方をしてしまいそうなものですが、日清食品はそれだけで満足していません。満足しなかったどころか、危機感すら感じていたのかもしれないと思わせるような挑戦を続けています。
例えば、ニ代目社長は『カップヌードルをぶっつぶせ』を掲げて創業者を激怒させるような改革を推進し、三代目社長は『完全栄養メシ』というジャンルを切り開くなど、新たなステージを目指し続けています。
特に二代目は、革命的な制度を定着させた社長としても有名です。同じ日清食品のブランドであるにもかかわらず、まるで別企業のように独立したチームをつくり、お互いのブランドで競争をさせるBM(ブランドマネージャー)という制度を確立しました。つまり、「他商品の存在意義を脅かしてもかまわない、非効率でも不公平でも問題ない、大いに競い合って(カップヌードルを超える)より良い商品を生み出そう」という方針なのですね。
BM制度の導入によって、なあなあでもなく、ビリビリしすぎるわけでもない、ちょうどいい緊張感を社員の心に芽生えさせたのです。
まとめ
日清食品グループは常に革新的な開発を続けており、新しい食文化の創造を使命として加賀げています。組織として掲げているのは「己を超えよ!Beyond Instant Foods」、「EARTH FOOD CREATOR (食文化創造集団)」という強気なスローガン。環境・社会課題を解決しながらも、会社が持続的な成長を果たすという前のめりな姿勢で事業に取り組んでいることが伺えます。
安定している即席めんだけに固執せず、さまざまなチャレンジを許容する社風が、世界から愛される日清食品の地位を確固たるものにしたのかもしれませんね。